好きになるまで待ってなんていられない


部屋の明かりは暗めに落とされていた。

…ほぅ、ちょっとは助かった気分。
ベッドに下ろされた。

空かさずシーツに包まった。

「…もう、灯。とっくに見てるし…」

「駄目。それとこれとは別。
これ以上素で見られるなんて恥ずかし過ぎる」

「はぁ、灯、なんでそう、益々煽るような事するかな…」

だから、いつも言ってるでしょ?こっちはそんなつもりは毛頭ないのに。

そっちがそういう風に取ってるだけでしょ?

「…慶而君は元々お医者さんだから…研修医とかで、…見てるでしょ?女の人の裸。飽きるほど…見慣れているでしょうけど、私は見られ慣れて無い…」

「あのなぁ医者っていっても…婦人科で触診するような事はしないから。
それに、診察で前を開ける程度の事で、一々興奮なんかして反応してたら仕事にならないだろ。
全然!別だからな?

これは無し。…邪魔だ」

シーツに手をかけ、引き剥がされそうになった。

「駄目。このままで……慶而君が中に入って来て」

…。

「勿論…何れ入るけど?」

え?…もう。
いや、いや、そんな、そっちのじゃなくて。

…。

あ、もう…。埒があかないと思ったのね。
少しだけ捲くられ唇が攻めてきた。

ん、…。

「ちょっとずつがいいのか?」

また少しシーツをずらされた。
唇が下へと這って行く。
このままじゃいずれ全部…露出されかねない。

「ん…い、や、一緒に…入って」

…。

「フ、解ったよ」

渋々みたいにシーツに一緒に包まった。

「灯の希望だから聞かないとな。
俺の…」

え?…何?

あ、…。ん、…んん。…ぁ。

「慶而君…ん、なんて…」

…。

ん、…教えてくれる気は…ない、の?

「灯は…俺の大事な人だよ、って、言った」

…好きになり過ぎて困る、って、な。

「…灯」

ん、ぁ…。

何度もしがみついた。

慶而君が繰り返し名前を呼ぶ。好きだと何度も呟く。

私…。

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