好きになるまで待ってなんていられない


「はぁ、取り敢えず着替えてくる」

温かいご飯を入れ、お味噌汁を温めた。
焼き魚と厚焼き玉子を温めラップを取った。熱いお茶を入れる。
浅漬けのラップを取った。


「成美は食べたのか?俺の分だけを作ったんだろ?」

「はい」

「よし、交替だ。そこに座っとけ」

え?

「は、い」


社長、食パンをトースターに入れた。
フライパンにベーコンと卵を落とす。焼けて焦げる、…ベーコンのいい匂いだ。
お湯を沸かす。
トマトを切っている。白いお皿にトマトを並べ、ベーコンエッグを盛った。

焼けた厚めのトーストにたっぷりのバターを塗る。珈琲を入れた。
ハチミツを取り出し置いた。

あっという間だ。
手際がいい。


「同じ和食じゃないが、…どうぞ」

はぁ。

「…お腹、もう鳴ってます」

「フッ、そうか。さあ、食べようか。有難うな、成美。頂きます」

「私も…有難うございます。頂きます」

お互いがお互いに感謝の頂きますになった。


「はぁぁ、旨い、染みる…。味噌汁はいいよな…」

社長は最近、よく染みてるなぁ。

「大袈裟です。社長。ハチミツ、掛けたいのですが、蓋が開きません」

「ん、貸してみろ。…おー、固いな。ん゙ー。……お、開いた。ほら」

「…有難うございます」

顔、ちょっと赤くなってる。フフ。

「あ、ケチャップとかマヨネーズとか、どうする?ソースと醤油はこれだが」

「遠慮無くケチャップがいいです」

「よし。待ってろ」

フットワークは軽い。
冷蔵庫から取り出して来た。

「掛けてやる、どれくらいだ、ストップって言えよ」

ビューッて摘んで出している。

「あー、ストップです、ストップ、ストップ」

「よし。目玉焼きにケチャップなんて、成美はお子様だな」

「楽しそうにケチャップを出してる社長もお子様ですね」

…。

「そうだな。見た通りだ。俺は今、楽しい」

…社長。
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