好きって言ったら、どうする?
(っ………!)
私はその勇さんの視線に
少しだけ鼓動を高鳴らせながらも
彼は病人であると言い聞かせ
何とかその場を持ちこたえた。
「わ、私が食べさせるんですか……?」
「………嫌?」
私がオロオロしながらも
そう尋ねると
勇さんはまたも
熱で掠れた艶っぽい声で
私にそう甘い質問をする。
───嫌か、と尋ねるのはずるい。
だって
私が勇さんのことで
嫌なことなんて
何も、あるはずないんだから───。
私がそう思いながら
静かに首を横に振ると
勇さんはそれを見て、
少しぼんやりした状態のまま
小さく微笑んだ。
「…ん……食わして…。」
「っ…は、はい……。」
私は小さくそう返事をして
恥ずかしくて赤くなる顔を
誤魔化すように
少し下を向きながら
おかゆをスプーンで掬い上げる。
「っ………。」
「…ん………。」
そして
それを勇さんの口元に持っていけば
勇さんは
少し弱々しくも 口を開けて
私の持つスプーンを咥えた。
そしておかゆをゆっくり飲み込み、
また口に含んで───という動作を
何度か繰り返していく。
(っ………もうヤバイよ…。)
私はそんな勇さんの姿を見ながら
心の中でそう悶えた。
───こんな時にすごい不謹慎だけど
弱ってる勇さんのこの…
何とも言えない色気が…
すごく目に───いや、心臓に悪い。
「………柑奈…?」
「っ!」
それだけではなく
風邪で掠れた声や、
こちらを見上げる
トロンとした熱に侵されている瞳が
更に凶器だ。
しかも
本人に自覚がないところが、
また余計に罪だと思う。