好きって言ったら、どうする?
それから
言われた通りのカラオケ屋に到着し、
受付を通ってから 部屋に向かう。
その途中…あいつには会わなかった。
そして俺は
受付で告げられた部屋番号を見つけると
ガチャ──と扉を開けて
大きな音で音楽の流れるその部屋に
足を踏み入れる。
「お、勇来たなー!」
「わぁー!進藤くんだー!」
「こっち空いてるよ〜!」
俺が入るなり
俺に気づいた全員がこっちを向いて
声を上げて騒いだ。
……飲み会の帰りだな、これ。
俺は全員のテンションの高さを見て
そう思いながら
小さく息を吐いて、適当に席に着く。
「進藤くん!
何やねん、ダメもとやったから来てくれると思わんかったわ。」
「! ……金田か。」
俺が席に着くと
一緒に金田も来ていたらしく
俺の横に移動してきて 側に座った。
金田は酒に強いため
今も割と、素面に近い。
1人でもまともなテンションの奴がいて
安心しつつ
俺は金田の方に 視線を向けた。
「まぁ、最初は来る気無かった。」
「せやろね〜。
でも、じゃあ何で来てくれたん?」
やっぱカラオケ来たくなったん?と
俺に尋ねてくる金田に
俺は上着のコートを脱ぎながら
軽く 本当のことを告げる。
「…柑奈もここに来てるみてェだから。」
「!」
「…喧嘩のこと、あいつにまだ謝れてねェんだよ。」
最近もまた会えなくなってたから、と
金田にそう説明すれば
金田はあの日のことを思い出したのか
気まずそうに視線をそらしながら
「そ、そか…。」と呟いた。
その横顔を見ながら
あの日、金田にも怒鳴ってしまったことを申し訳なく思う。
……最近は本当に、余裕が無くなっている。
「でも…部屋の場所とか、知ってるん?」
「…いや。」
「え?それじゃあどうするん?
知らないと会いに行けないやん。」
そんなことを思っていると
金田が俺にそう尋ねてきて、
俺はチラッと視線を寄越してから
それにも軽く また返した。
「来れば、偶然会えんだろって思ってた。」
「な…何で無謀な……。」
「まぁ、思えば確かに可能性低いよな。」
俺はそう言って
他の奴が歌うのを見ながら
ソファの背もたれに取り掛かる。
───でも何となく、予感がしたんだ。
あいつに会える……そんな気が。