好きって言ったら、どうする?
「北澤、そろそろ着くよ。」
「っ…う、うん。」
そして要くんがこちらへ振り返って
私にそう言うと
私はそれに 小さく頷いて
繋いでない方の手を ギュッと胸の前で握った。
それを見て
要くんは小さく笑いながら
前へ視線を戻す。
「ははっ、緊張しすぎ。
じゃあほら、楽しんでおい───」
───え?、と
そう言いかけた途中で
要くんが そんな声を発した。
要くんの言葉は
それで途中で途切れて
そしてそれと同時に
要くんは…そこへ立ち止まる。
「……要くん?」
そんな彼の不自然な行動に
私は不思議に思って、隣の彼を見上げた。
(………?)
要くんは立ち止まったまま
固まるように、前を向いていて
その目は驚きで、見開かれている。
そして要くんの手が
繋がれていた私の手から
そっと、離れた。
「要くん?一体どうし───」
「っ!!
ダメ!北澤そっち向いちゃ───!」
私は要くんの手が離れたと同時に
彼の視線をたどって
その見つめる先を 同じように見る。
───要くんが咄嗟に声を上げたけれど
それはもう すでに遅かった。
「──────え?」
────あぁ どうして
私はこの時
要くんの言葉を
最後まで…聞かなかったんだろう。