好きって言ったら、どうする?
「お客様、2名様でしょうか?」
「はい。」
「お客様が最後のご乗車となります。
足元にお気をつけて、ごゆっくり楽しんでください。」
そして
早足でそこにたどり着くと、
ギリギリ間に合ったようで
従業員の人からそう言われて
そのまま私たちは ゴンドラの中に乗り込んだ。
乗ってすぐに
ガチャン──と扉が閉まる音がする。
「ギリギリ乗れたな。」
扉が閉まってすぐに
向かいに座る勇さんが
窓の外に視線を向けながらそう言った。
私はそれに頷いてから
同じように外の景色に目を向ける。
「わぁ……綺麗……っ!」
そして思わず
また先ほどと同じような言葉を口にして
私は目を輝かせた。
都会ならではの 光る夜景─────。
私はそれに釘付けになりながら
黙って 外をジッと見渡す。
「………綺麗だな。」
「……はい…。」
勇さんも外を眺めながら
静かにそう言った。
私はそれに 小さく返事をする。
(………今外にいる人たちも
私たちがいるこの観覧車を見て、そう思いながら眺めてたりするんだよね…。)
自分も夜景の1つなんだよなぁ、と
改めて実感させられた。
そんなことを考えながら
外の景色に夢中になっていると
不意に
グラッ---と、車体が揺れる。