好きって言ったら、どうする?
「っ…………勇さん……?」
「……柑奈。」
(っ───!)
いつもよりも
少し低めの声で名前を呼ばれて
私は思わず 鼓動を大きく鳴らせる。
───え、嘘。
まさか……と
信じられない展開に
体を強張らせながら 勇さんを見れば
そこには……真剣な表情の 彼がいて。
私はそれにも 余計に心臓をうるさくさせる。
「……ゆ、勇さ……っ。」
「……目、閉じて。」
きっと赤いだろうと思う顔を
彼に向けながら
私がそう名前を呼べば
勇さんがそう小さく呟く。
(これ………夢……?)
本当に、本当に───?
私はうるさく鳴る心臓の音を感じながら
目の前に立っている勇さんを
静かに見上げる。
そして
それを合図に
ゆっくり近づいてくる彼に
私もそっと……目を閉じた。
───そして
優しく…
勇さんの指が 私の目元に触れる。