極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「もう少ししたら萌を起こそうと思ってたんだ。そこに座って」

恭介が目の前にあるダイニングテーブルを指差す。

「わ……私も手伝います」

つっかえながら声をかけたが、恭介に笑顔で断られた。

「病み上がりなんだから大人しく座ってる」

「……はい。すみません」

前回の経験から逆らわずに素直に従うことにする。

手前の席につくと、恭介が私の前にホットケーキを置いた。

「いつもお粥やうどんじゃ飽きると思ってホットケーキにしたんだ。食べられそう?」

気遣うように言いながら、恭介は私にフォークとナイフを手渡す。

「はい、ありがとうございます。美味しそう」

恭介も紅茶を入れてテーブルにつくと、ふたりで頂きますをして食べる。

メイプルシロップがよく染み込んだ部分をパクッと口にすれば優しい甘さが口の中に広がった。

「あっ、すごく美味しい」

思わず微笑んでしまう。
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