極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「その言い方……誰を喜ばせるのが目的なんです?俺じゃないですよね?」

「もちろん、相田さん」

真木さんは自信満々だが、ターゲットである萌は引き気味だ。

本当に打合せで連れ回されてると思ってるし、ここら辺で種明かしした方がいいだろう。

「相田さん、真木さんがいい所に食べに連れていってくれるって」

俺がそう説明すると、萌は目を丸くした。

「え?そうなんですか?てっきり仕事の打合せで客先に連れていかれるのかと……」

「たまには気分変えてみるのもいいんじゃないかな」

真木さんが萌に温かい眼差しを向ける。

彼も彼女の体調を気遣っているのだろう。

「真木さんはいつも息抜きしてますけどね」

俺は萌が気を遣わないようにクスリと笑いながら真木さんに突っ込む。

そんなたわいもない会話をしていると、ある京懐石の店の前にタクシーは停車した。
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