極上な御曹司にとろ甘に愛されています
俺を巻き込むのは止めて欲しい。

「俺は言っときますがノーマルなんで」

氷のような冷たい声で真木さんに伝えるが、彼は懲りずに俺にちょっかいを出してくる。

「つれないなあ、恭介」

女子社員にウィンクしながら真木さんは俺の肩に手を置く。

彼女達の反応を楽しんでいるのだ。

俺は顔をしかめながら彼の手を振り払った。

「仕事中は下の名前で呼ぶの止めてくださいよ、気持ち悪い」

「じゃあ、ふたりの時にたっぷりと」

どこか邪悪な笑みを浮かべる真木さん。

お互いそんな軽口を叩きながらノックをして応接室に入る。

二時間ほど取引先の幹部と打合せをして居室に戻ると、そこに萌の姿はなかった。

ポケットに入れておいたスマホがブルブルと振動し、取り出して画面を見れば萌からのメール。

【お疲れ様です。今日は高橋さんが助けてくれたお陰で定時に上がることが出来ました。
わらび餅もとても美味しかったです。どうもありがとうございました。相田】
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