極上な御曹司にとろ甘に愛されています
メールを見てホッとするが、同時に残念に思う自分がいる。

まだ残ってれば看病と称してうちに連れて帰ったのに……。

「高橋、スマホ持ったまま何遠い目してんの?」

真木さんが俺の肩に手を置く。

「何でもありませんよ」

俺は澄まし顔で答えた。

「何でもないことないだろ?今朝の一件、この俺がそのままスルーすると思ってんの?今夜付き合えよ。どうせ彼女はいないんだろ?」

真木さんは小声でそう言いながら萌のデスクに目をやる。

何か言うまでしつこく付きまとうだろうな、この人。

めんどくさ……。

「これ以上、真木さんと噂になるのは嫌なんで、俺は仕事終わらせたら失礼しますよ。喉がイガイガして痛いんです」

喉に手をやりさりげなく萌との関係を匂わせると、勘のいい真木さんは目を輝かせながら口角を上げた。

「やっぱりね」
< 136 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop