極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「あっ……ごめんなさい。卓が小さい頃、よくこんな風にお世話してたから」

持っていたレンゲを引っ込めようとすると、恭介が私の手を掴んだままお粥をパクリと口にする。

呆気に取られた私は、思わず彼の綺麗な口元をガン見してしまった。

「美味しい」

恭介が私の目を見て微笑む。

「もっと食べさせてよ。その方が食欲出るから」

そう言われてはやるしかない。

レンゲでお粥を掬ってフーフー冷ましては恭介の口に持っていく作業を繰り返していると、彼は小さく笑いながら言った。

「卓が羨ましいな。こんな可愛いお姉さんが世話してくれて」

そんな甘い言葉に騙されませんよ。

「恭介にはあんなに美人な従姉がいるじゃないですか?凄く仲良さそうでしたけど……」

思ってたことをそのまま口にすれば、恭介は面白そうな目をして笑った。

「ひょっとして妬いてる?」
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