極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「……この頑固者が」

じいさんが呆れ顔で俺を見たが、そんな彼を俺は笑い飛ばした。

「その言葉、そっくりそのままあなたに返しますよ」

「お前は……。まあいい。相田萌さん、こういう厄介な奴だが、恭介を頼みます」

じいさんは俺の言葉に絶句しながらも、萌を見て優しく微笑んだ。

「はい」

萌も俺の抱擁を解くと、じいさんに向かってペコリと頭を下げる。

それを見たじいさんは満足そうな顔をして部屋を後にした。

じいさんが消えたドアを見つめる彼女の腰をつかんで抱き寄せる。

「邪魔者はいなくなったし、これでじっくり説明出来る。ホテルで俺の横にいた女性はじいさんが勝手に呼んだ見合いの相手で、ちゃんと断ってるから。でも、萌を不安な気持ちにさせてごめん」

「……そうだったんだ」

萌がホッとした顔になる。

だが、これで俺の話が終わったわけではない。
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