極上な御曹司にとろ甘に愛されています
怖い話題を変えたくて、私は田中君が手に持っているピザのメニューに目を向けた。

「あっ、ピザのソースなんだけど、トマトソースとホワイトソースどっちがいいのか相談したくて」

田中君が困り顔で手に持っていたメニューを広げて私に見せる。

さっき水木さんに対峙していた彼はどこに消えてしまったのだろう?

私は苦笑しながら「トマトソースでいいんじゃない?」っと適当に答えた。

ソースくらいで悩んでいてはいつまで経っても注文出来ない。

田中君て頼りになるのか、ならないのかよくわからないな。

「わかった。ありがとう、相田さん」

田中君がホッとした顔で私に微笑む。

「いえ、こちらこそ、かばってくれてありがとう」

私がニコッと笑ってお礼を言うと、恭介が私の肩を抱いて田中君に向き合った。

「田中、俺からも礼を言うよ。萌を守ってくれてありがとう」

爽やかに笑うが、そんな恭介の笑顔が黒いって思うのは私だけではなかったようで……。

恭介にお礼を言われた田中君は、ハハッと乾いた笑みを浮かべながら後ずさりして居室に戻っていく。
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