お口にクダサイ~記憶の中のフレグランス~

心を溶かす魔法

先生と最初のデートから、2度目のデートをするまで仕事が忙しい先生と予定がなかなか合わずにいた。職場で顔を合わせたりする機会はあったし、仕事関係の飲み会で一緒の時もあった。

2人だけになる事は難しいし、仕事関係の飲み会だと先生は顧客開拓にと、ビジネストークに余念がない。

先生とうちの事務長は仲が良かった事もあり、定期的に自分が入っていた青年会議所の青年実業家や、病院経営者などを紹介がてら事務長が飲み会を設定し、先生をそこに呼んでいた。

私も事務長に連れられて、時々参加していた。そう言う飲み会に限って相手方は、ホステスやら、愛人とおぼしき女性なんかを連れだって参加するのである。

決まって華のある女性で、飲み会の席で皆の注目を浴びていた。気にくわなかったのは、そんな華のある女性が、先生に興味を持つ事だった。

ある時、事務長の昔からの知り合いのアパレル関係の女社長が参加した事があった。30過ぎた位の女性で華があり、先生の隣に座った。

ただのひがみかもしれない。その女性の大きく開いたワンピースの胸元に私は嫉妬してしまった。
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