ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
・・・会いたいな、望月さんに。
と思いながら、ひとり暮らしの部屋に帰った私は、スマホを取り出した。

「妊娠した」って言ったら、望月さん、どんな反応するだろう。
いつもどおりの無表情で「ああそうか」って言うだけかな・・・って、簡単に想像できちゃうんだけど!

「よぉ。どうした」

いつもの安定した低い望月さんの声を聞いただけで、私の目に涙が浮かぶ。
嬉しくて。ホッとして。

私は鼻を少しすすった。

「も、望月さん。あの・・・会いたい、です。今から」
「今どこだ」
「うちです。って、実家じゃなくて、ひとり暮らししてる方の家・・・。あの、実家には行ったんですけど、さっき帰ってきました」

あなたに会いたくて。
と言いたかったけど、私は言わなかった。

望月さんは「迎え行くよ」と言うと、スマホを切った。

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