ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
・・・酔ってんな、あの女。

明里んとこに行った方がいいかと思ったが、二人でいると余計外野が煩くなるのが分かっていたから止めておいた。
ま、あいつなら、軽く酔った女一人くらい、適当にあしらえるだろう。
見たところはちっちぇえガキみてえだが、考え方は十分大人、そしてふるまいや言動は、独り立ちしている大人の女そのものだからな。

思ったとおり、明里は鹿毛女史と何かしゃべった後、ニコニコしながら互いを抱きしめ合ってる。
つい俺の顔がニヤついたとき、あいつと目が合った。

・・・やべぇ。
と思ったそのとき、隣から島野の声が聞こえた。

なんだ。こいつ、まだいたのか。

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