ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
「いやぁ、明里ちゃんが青森へ行ってしまうのは寂しいが、子はいつか巣立っていくものだからね。それに、由佳里ちゃんたちがいるカナダよりも近いしなぁ。会おうと思えば会いに行ける距離だ」
「そうですね」
「何より、明里ちゃんは光くんのような人と結婚できるんだ。本当に良かったよ。さすが、うちの娘は見る目がある。光くん」
「はい」
「明里ちゃんのこと、よろしく頼みます」
「はい」

小柄な俺の義両親は、「光くんは私たちの息子だ」と言ってくれた。
「明里が嫁ぐから寂しい」じゃなく、「だから家族が増える」と喜んでくれた。
ぶざまに生きてきた俺の存在を、そのまんま受け入れてくれた。

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