ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
こいつ、眠そうな顔をしてるな。
吐くつわりが収まったと思ったら、今はやたら眠い時期らしい。
クマの冬眠みてえだが・・・こいつはちっちぇえから、リスってとこだな。

「寝るか」
「すこし・・・」
「寒くねえか」
「だいじょぅぶ・・」
「青森着いたら起こしてやる」と俺が言ったとき、明里はすでに目を閉じていた。

もう寝たのか。俺の・・・カミさんは。

俺に寄りかかってぐっすり眠ってる明里を見てたら、自然と優しい気持ちが湧いてきて、「ありがとな」と自然に呟いていた。

ちっちぇえ体ん中で俺たちの双子を育ててくれて。
俺に惚れてくれて。
俺のカミさんになってくれて、ありがとな。

< 163 / 183 >

この作品をシェア

pagetop