ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
とにかく、光さんは宮大工のお仕事が楽しいといつも言ってるし、実際楽しんでお仕事してるから、中山建設を辞めることはもちろん、宮大工自体を止めることなんて、全然考えてないみたい。
建築様式を勉強したり、「この寺は何々宗」とか「この神社は縁結びの神様が祀ってある」といった、建築様式とはちょっと関係ない、雑学的なことまで知ろうとしてるし、実際覚えていっている。
それすら楽しみにしている光さんを見ていたら、私まで神社やお寺に興味が湧いてきた。

「コウちゃんとメイちゃんも、将来はパパみたいなカッコいい宮大工になるのかなあ?それともキレイな巫女さんか。男の子だったらお坊さんだよね」

おなかを撫でながら呟く私に、光さんはクスクス笑って応えてる。

「早すぎだろ、おまえ」
「そうかなぁ・・あ。でも今、ポコッと来ましたよ!」
「マジか」

あっという間に距離を詰めた光さんは、私の前にヤンキー座りをすると、武骨で大きな手をそっと私のおなかに置いた。

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