ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~
とは言ったものの、瞬治さんは営業で外出している。
まさかこんな・・・“私情”で、仕事中の彼に電話をかけるわけにはいかない。
それにこれは、電話で問いただす内容にしては、重すぎる。
重大すぎる。
感情の赴くままその場を駆け出したりして、望月さんに何て失礼なふるまいをしたんだろう。
なんて考える余裕なんて、その時の私には全然なかった。
とにかく、周囲の人たちは、この心理的大ショックを悟られてはいけない。
瞬治さんのためではなく、私のために。
と、必死に言い聞かせたおかげか、頭の中がグチャグチャのグルングルン状態になった私だったけど、それでも残りわずかな終業時間まで会社に残り、仕事をこなした。
はっきり言って、どうやって仕事をこなしたのかはよく覚えてないんだけど・・・でも普段やっていることが、体に染みついていたのだろう。
社内の誰からも「大丈夫?」みたいな声かけは全然されないまま、終業のベルとともに、私は会社から飛び出した。
望月さんとは、あれから社内で会うことはなかったけれど、約3時間後、再び、そして偶然会うことになる―――。
まさかこんな・・・“私情”で、仕事中の彼に電話をかけるわけにはいかない。
それにこれは、電話で問いただす内容にしては、重すぎる。
重大すぎる。
感情の赴くままその場を駆け出したりして、望月さんに何て失礼なふるまいをしたんだろう。
なんて考える余裕なんて、その時の私には全然なかった。
とにかく、周囲の人たちは、この心理的大ショックを悟られてはいけない。
瞬治さんのためではなく、私のために。
と、必死に言い聞かせたおかげか、頭の中がグチャグチャのグルングルン状態になった私だったけど、それでも残りわずかな終業時間まで会社に残り、仕事をこなした。
はっきり言って、どうやって仕事をこなしたのかはよく覚えてないんだけど・・・でも普段やっていることが、体に染みついていたのだろう。
社内の誰からも「大丈夫?」みたいな声かけは全然されないまま、終業のベルとともに、私は会社から飛び出した。
望月さんとは、あれから社内で会うことはなかったけれど、約3時間後、再び、そして偶然会うことになる―――。