ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~ 
特に切れ長のつり目が、喜びでキラキラ輝いてるような気がする。
だからこの人、クビをきられると言われても、全然動じてなかったんだ。

強いな、この人。度胸ある。
年齢に関係なく、興味ある世界に飛び込んでいくこととか。

かなり感激してしまった私は、望月さんの逞しい体にピッタリくっついた。

「だからホントのこと言えば、確かに俺はクビきられたんだが、そうならなくても中山建設に行っただろうな。そうなったのが早まったってだけの話だ。だがよ、その辺のことはいまむら側にも俺は話してねえから、あっちはクビきって申し訳ないと思ってんのか、結構な額の退職金をやるって言ってくれてんだ。だからおまえもこの話は会社側には黙っとけよ」
「も、もちろん。私、言いませんよ。誰にも」
「ああ」
「・・・望月さん」
「ん」
「あの・・・今夜、ここに泊まってもいいですか」
「ああ。泊まってけ」

望月さんがそう言ってくれたことも嬉しかったけど、彼がそう言った後、私に腕を回してくれたことは、もっともっと嬉しかった。

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