ムーンライト・テンプテーション ~つきあかりに誘われて~
「自分ち建ててるとき、青森ヒバを探し求めて青森県のいろんな建設会社に連絡取ってたんだが、そん中の会社からな、うちに来いってずっと誘われてたんだ」
「・・・そうだったんですか」
「ああ。そこは主に神社や寺の建築が専門でさ。宮大工というヤツだな。俺、自分ち建ててる過程で宮大工という仕事に興味は持ったが、神を信じてねえ俺には不似合い、てか不相応な仕事だと思ってたからよ。やりてえとは思ってたんだが迷って、結局断り。だがあっちも頑固に何度も来いと言ってくる。それを俺はまた断るの繰り返しだったんだ。そうこうしてるうちに、今年に入って人員削減のために早期退職をしてほしいと会社から言われたとき、あぁこりゃ青森に行って宮大工の仕事しろってことだと勝手に解釈してな。意地張って断っちゃいけねんだと。よく考えりゃ、宮の大工仕事は未経験な上に、40近くのこの俺のことを雇ってくれると言ってんだ。おまけに俺自身、やってみたいと思っている仕事だ。いい話じゃねえか」と言ってる望月さんの顔は、いつもの無表情な中に、どこかイキイキした部分があるように見える。
「・・・そうだったんですか」
「ああ。そこは主に神社や寺の建築が専門でさ。宮大工というヤツだな。俺、自分ち建ててる過程で宮大工という仕事に興味は持ったが、神を信じてねえ俺には不似合い、てか不相応な仕事だと思ってたからよ。やりてえとは思ってたんだが迷って、結局断り。だがあっちも頑固に何度も来いと言ってくる。それを俺はまた断るの繰り返しだったんだ。そうこうしてるうちに、今年に入って人員削減のために早期退職をしてほしいと会社から言われたとき、あぁこりゃ青森に行って宮大工の仕事しろってことだと勝手に解釈してな。意地張って断っちゃいけねんだと。よく考えりゃ、宮の大工仕事は未経験な上に、40近くのこの俺のことを雇ってくれると言ってんだ。おまけに俺自身、やってみたいと思っている仕事だ。いい話じゃねえか」と言ってる望月さんの顔は、いつもの無表情な中に、どこかイキイキした部分があるように見える。