闇喰いに魔法のキス


その時、しびれを切らしたようにリオネロが声を荒げた。


『言うつもりはないようだな。こうなったら、力ずくでもシンのありかを吐かせてやる…!』


ギュル!と私の体に巻きつく黒いイバラが空中へと高く伸びた。

足が地面につかない状態で、ギリギリと体を締め付けられる。


く、苦し……い……!

息が出来ない……っ……!


だんだんと、意識が遠くなる。


もう……ダメ……!

誰か……!


つぅ…、と頬に涙がつたった時。艶のある凜とした声が辺りに響いた。


「僕のルミナに何をやっている」


声のする方を微かに目を開いて見た時、視界に綺麗な黄金の髪の毛が見えた。


誰……?


その時、リオネロの動揺したような声が響く。


『げっ!お前は…闇喰いギル!』


“闇喰い”…ギル…?


身動きが取れないまま、この場に現れた青年を見つめる。


その時、青年が、ぱっと私を見た。

そして、綺麗な薔薇色の瞳が私を捉え、光り輝いた瞬間、パァン!と私の体に巻き付いていた黒いイバラが消え去った。


苦しみから解放された瞬間、体が地面に向かって落下していく。


落ちるっ…………


ぎゅっ!と目をつぶった瞬間、たくましい腕が私を抱きとめた。

腕の感触に驚いて目を開けると、そこに見えたのは整った顔立ちをした黄金の髪の青年だ。

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