「えっ?」

言われたあたしは思わず聞き返した。

朝比奈さんはあたしを追い越すと、玄関に向かっていた。

似合ってるって、あたしの格好なんて毎日見ていますよね?

「小春ちゃん?」

朝比奈さんに名前を呼ばれて、
「えっ、ああ、はい…」

あたしは早足で玄関に向かうと、靴を履いた。

今日はスニーカーではなく、ローヒールのカジュアルスーツである。

「はい、どうぞ」

朝比奈さんがドアを開けてくれた。

「ありがとうございます」

あたしはお礼を言うと、先にドアの外に出た。

その後に続いて朝比奈さんも外に出ると、ドアを閉めた。

カギを閉めている彼の服装をあたしは後ろから見た。

朝比奈さんの今日の服装は紺のシャツに白のカーディガン、ブラックジーンだった。
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