何だかんだで朝比奈さんもいい服装をしている。

その姿を見ていたら、
「行こうか?」

朝比奈さんがこちらの方に向いてきた。

突然こちらの方を向いてきたので、あたしは驚いた。

ビックリするじゃないのよ!

「あ、はい…」

ちゃんと返事ができただろうか?

見ていたことがバレていないだろうか?

表面上はポーカーフェイスをしているけれど、心の中はパニックになっていた。

朝比奈さんが歩き出したので、あたしは彼の後ろをついて行くように歩いた。

彼はクルリとあたしの方に振り返ると、
「隣にきなよ」

そう言って、あたしの手を繋いだかと思ったら引っ張ってきた。

「えっ、わっ…!?」

驚く時間も与えないと言うように、あたしはあっと言う間に朝比奈さんの隣に並ばされた。
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