箱庭センチメンタル
「あの、ですが…」
「私が信用なりませんか?」
「い、いえっ!そんな、滅相もない!」
「ならば、この部屋から即刻出てお行きなさい。長居すればそれこそ、最悪は免れません。お祖母様がお怒りになりますよ」
明らかな落胆の色を滲ませる彼女に、容赦を捨てて言い捨てる。
聞いた彼女は顔色を変えて、慌ただしく立ち上がる。
「も、申し訳ございませんでした!!」
最後の言葉は余程効いたらしく、逃げるように去って行った。
再び静寂の訪れた部屋。
様子を察して問題ないと判断したのか、縁の下から先ほどの少年が出てきて、疲れたように息をついた。
「ふう……危なかったなー。匿ってくれてありがとな」
「礼には及びません」
同年の、加えて異性など、親族が集まる正月などの大行事にしか私は見たことはない。