記憶は私に愛をくれない。



美初に記憶が戻ったことを伝えると、


喜んでんだか驚いてんだかよくわかんない反応をした。




記憶が戻ったからって母さんや父さんに会えることは出来ないけど、


もう美初たちの家族とでかけたりなんて出来ないけど、




美初とのたくさんの幸せを思い出せただけで、俺はしあわせだった。




これから、毎日美初の傍にいられるわけじゃない。





文化祭が終わった3日後にはまたアメリカに行って合同練習に参加しなければならない。




毎日同じ道を歩くことはできない。




でも、俺らはいつだって繋がってんだ。




一度離れてしまったが、またこうして出会うことができた。




それは、運命って言ったって過言ではないはずだ。




俺は、美初を大事にする。





心に決めた。

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