あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
次の日、
会社についてすぐ、本当に朝一番のスケジュールを確認したところで、開発課のメンバー全員が会議室に召集された。
部屋に入ると、待っていたのは、目の覚めるようなスレンダー美女という言葉が真っ先に出てくるような女性だった。
美人ていうだけじゃなく、ピンストライプのパンツスーツをきれいに着こなして、髪の毛の先から足元まで、きれいに整っている。
立ち居振る舞いも、凛としていて「仕事のできる女性」という印象だ。
その女性は、藤原課長と親しそうに話している。
全員が入って来たのを確かめてから、課長が口を開いた。
「紹介する。キャリアアアップセミナーで講師をしていただくことになってる吉沢桜子さん。吉沢さんは、経営コンサルティングファームで組織・人事コンサルタントをしている。
人材開発の講師も多数手がけてるエキスパートだ」
その女性が、一歩前に出て丁寧にお辞儀している。
「ただいま、ご紹介に与りました吉沢桜子と申します」
講師というだけあって、話し方、視線の気の配り方、立ち振る舞いすべて完璧だ。
おまけに、目が合うと気持ちのいい微笑みを返してくれる。
しかも、すごくきれいな顔で。
挨拶をし終えた彼女が、私の前に立つ。
「初めまして。栗原希海です」
私は、少し緊張気味に名刺交換した。
「希海ちゃんね。よろしくね」
希海ちゃんって言われるほど、若くはないですけど。
幼く見えたのかな。
吉沢さんは完璧な笑顔を私に向けて、すっと手を差し出した。
私が、ぎこちなく手を出す。
「栗原、そんなに緊張することない。俺の元同僚だ」
課長は、かなりズレたことを言う。
分かってない。
課長に近いところにいる人に会う方が、余計に緊張するのだ。
「そうなんですか?」
後の二人が同時に吉沢さんを見る。
少し、場が和んだ。それも束の間。
違った緊張に包まれる。
この人は、すごい美人だ。
しかも、コンサルティングファームで働くだけの頭もある。
今度は、緊張を通り越してガチガチになる。
すごいオーラ―だと思った。
きれいだし、目の輝きが違う。
国崎君と恵麻ちゃんが、私に続いて名刺交換する。
国崎君が、彼女を見てぼおっとしてる。
あれだけ美人だもの、そうなるのも仕方ない。