あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ
「君って、もしかしたらウェイトレスの面接に来たの?人事部って書いたあるから、たまに間違える子がいるけど、君もそう?」
彼は、上から下まで私の様子をみて、すぐに判断を下した。
多分、服装からして、ビルに迷い込んだ、おっちょこちょいだっていう採決を下したみたいだ。
それでだろうか。急に態度が友好的になった。
ビルに迷い込んだ、おっちょこちょいです。
おっしゃる通りです。ハイ、と言ってしまおうかな。そうすればこの場は逃れられる。
ここから出られれば、後のことを考えなけるばいい。
何度も誘惑の言葉が頭をよぎった。
ちょっと待って。
ダメだって。そんなこと言ったら、後で、「違います」って言えなくなる。
仕方ない。身分を明かさなければならない。
「いいえ。ウェイトレスの面接に来たわけじゃありません。えっと、私ここで働かせて……」
彼は、警戒心を高めて、指でメガネを直して威嚇する。