あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ

社長のお母様、もう九十歳という、化石のようなおばあさまだけれど、ここで話した内容をよく覚えていらっしゃった。

言葉が、おぼつかないので社長が代わりに答えてくれた。

社長と私たちは、食事を終えるとカウンター席から、テーブル席に移動した。

「藤代君、君はアメリカ行きを断ったって聞いたんだけど、それは本当の事?」

「はあ」

裕二さん、言いにくそうに返事をしている。

社長は、私の方に顔を向けて言う。

「しかも、断った理由がこのお嬢さんだって聞いたよ」

裕二さんも、つられて私を見た。

最近は、言葉がつかえない時に、彼の目をじっと見ることにしている。
アイコンタクトってやつだ。

それによると彼は、きっとこういいたかったんだろう。

『希海、お前、こんなとこで何やってんの?個人的なことを外で話すんじゃないぞ』

ついでに、どう思ったって感想を聞くと
『バカか、君は』こういうだろう。

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