7年越しの、恋。
「…みなみ?」
コンコンと控えめにノックされる。

「…優花」

「大丈夫?」

心配して見に来てくれた様だ。

「…どんな顔で戻ればいいかわかんない。もう…なんか…」

言葉を出せば出すほど涙も出てきて、自分でもよくわからない。

「…みなみは」

ぽつりと、優花が話し出した。

「武藤と顔会わせたくないの?話したくないの?7年たったけど…忘れられてないんじゃなかったの?」

思い出にしないとって、そう決めてきたのは自分でだ。
前に進まないとって。

とりあえず、個室を出て優花と顔を会わせた。

ぽんぽんと肩を叩いてくれて、
「本当に顔も会わせたくないのであれば…荷物持ってくる。一緒に帰ろ?
でも…少しでも話したいと思うのであれば。
戻ろう?」

でも、化粧直してからだねーと、能天気な声を出す優花に、少し笑顔になれた。

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