7年越しの、恋。
どうにかこうにか、目の回りを冷やして化粧を直す。

見れる顔になったかなと、確認して…。

「いざ、決戦の地へ!」

優花が先陣を切ってドアを開ける。
決戦の地って。

ふふっと笑ってしまったけど、優花の明るさに感謝する。

みんなのところに戻ると、武藤くんは囲まれていて笑顔だ。
うちらがいた場所からは遠い。

席に座って深呼吸して。
彼をまじまじとみる。

はにかんだ笑顔はあのままで。
男らしくなったなぁ、と思う。

優花が隣にいることと、さっきトイレで気持ちを決めたおかげで冷静に彼のことを見れる。

遠いから、あたしがいることを気づいてないかもしれないし。

< 34 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop