水色ガールフレンド
慌てて口を塞ぐにももう遅くて…
「…二重人格?」
と当たり前に雨音さんは不思議な顔で俺を見る。
気まずくなって目を逸らすも
「あっ!もしかして今あたしのこと二重人格だって思ってたでしょう?」
大正解!とでも言ってあげたいくらい見事に俺の思考を当てたアマネさん。
「ご、ごめん!
けど教室に居る時と全然雰囲気が違うから…別に今の雨音さんが嫌とかじゃなくて…むしろ今の方が話しやすくて俺はす…、い、いいと思うし…」
危なかった―。
勢いで好きとか言っちゃうとこだったよ。
確かに、大人しくて静かなイメージだったけど…それは俺が勝手に思ってただけだし…。
話したのだって今日が初めで…てか俺、雨音さんのこと何にも知らねぇじゃん。
「なんかさっちゃんの発想っておもしろいね―。
普通二重人格とか思い付かないよ?
それに名前、さん付けしなくていーよ。
同い年なんだし」
「あ、はい」
「ってなんで敬語〜?」
ただ遠くから眺めてただけで、何にも知らないのに勝手に二重人格とか言っちゃって、怒るかと思ったけど彼女は楽しそうに笑っていた。