陰にて光咲く



風呂から上がってタオルで髪を拭きながら、冷蔵庫を開けて麦茶のボトルを取り出す。


「アズマ、麦茶いるか?」


アズマの背中に向かって叫ぶ。


だが、アズマからの返答がない。どうやらまだスマホをいじってるようだ。


「アズマ?」


アズマの背後に近づく。


そして気づいてしまった。


アズマがいじってるのは…


俺のスマホ


指をせわしなく動かしていて、どうやらLINEを見ているようだった。


何でアズマが、俺のスマホを…?


意味がわからない。


「アズマ、何してんだ?」


もう一度背中に向かって聞くと、


「なあ、拓夢」


アズマの静かな声にドキッと心臓が跳ね上がった。


アズマは俺に友達の連絡先がのっている画面を見せながら言った。


「この友達んとこの連絡先、全部消してくれよ」


は?


言っている意味が理解できない。


だが、アズマの目はマジだった。


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