陰にて光咲く
その日の午後の講義を終えて帰ろうと、大学を出た時。
「拓夢‼︎」
聞き覚えのある声が聞こえて振り向くと、さおりが駆け寄ってきた。
「拓夢に何度もLINEしたけど全然既読つかないから心配したよ。なんかあったの?」
さおりのLINEも消してしまったから、もちろん連絡とれないでいた。
何があったのか言いたかったけど、さおりも巻き込みたくない。
「ごめんな、この前スマホ失くしちゃってさ」
そう言うと、さおりは安堵の表情を浮かべた。
「そうだったの?なんだ〜びっくりした。拓夢に何かあったんじゃないかと思ったよ」
あったよ。
身の危険を感じざるを得ない出来事が。
さおりに助けを求めたい。
「拓夢、この後空いてたら今夜うちに来てご飯食べに来ない⁇また手料理作ってあげるよ」
「ああ、行くよ」
「本当⁉︎じゃあ行こう」
さおりと一緒にいることで、少しでも恐怖心が和らげればいいと思った。