気になる彼は学校一の人気者
美術室の席に座って絵を完成させようと筆をとってぼーっとしていると……
「あの、先輩...」
思わず慌てて振り返った。
「えっ?……あ。佐野くん、どうしたの?」
私の美術部は私の学年があと2人と後輩の佐野くんの4人しか基本的には活動してない。文化部の部活に関しては兼用が許されてるからなかなか集まることなんてない...
その中でも、後輩の佐野優人[さのまさと]くんは毎日来てて、絵も私とは比べ物にならないくらい上手...。
「あの、次の作品のテーマを先生がさっき言っていて...」
「そうなの?」
「はい。海島先輩いなかったので聞いてないと思って」
「うん...先生ひどい」
「確かに...」
なんて言って笑いながら佐野くんと作品の話をしたりしていた。
「先輩、明日って暇だったりしますか?」
「特にないけど…」
「美術用具の買出しに行こうと思ってたら、先生に学校の分も頼まれて...」
「いいよ。私も明日、買出しに行こうと思ってたので。」
「じゃあ、三条駅の時計台に10時集合で!」
「うん、わかった。」