気になる彼は学校一の人気者



〜電車の中〜
その電車の中では無言がずっと続いた。
「…………」
「…………」
すると、叶多が...

「あのさ、その。佐野くん?は、海島さんの...」と言いかけたところで...
「海島先輩は部活の先輩、で今日は買出しに行っただけですよ。」
そう言って、電車降りて去っていった。

閉まった扉を見て...

(何おれ安心してんだよ。)
そう思いながら家に帰った。


〜海島家〜
「ただいまー。」
「おかえりっ!どうだった?楽しかった〜?」
「あー」
そのまま私は部屋に入った。
なんか……すんごいつかれた。

私にはハードルが高すぎた。そもそもなんで佐野くん私のこと誘ったんだろ...
私は大の外嫌い。趣味からもわかるかもしれないが、人との関わりがずば抜けて下手で中学の時を境にそれが深刻化して今の私に至る。


住む世界が違いすぎる。
私はそんな事を考えながら布団に入った。



この日から
それぞれの想いが
甘く切ない結末をむかえるなんて
この時の私には想像すらできなかった。

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