夜の甘やかな野望


「異動、ですか・・・」


菓子折りを手に事務室に顔を出した宗忠は、事務長に倫子の移動を告げられ、しばし絶句した。


「えっと、どうして?」

「岡田さんもここにきて4年だったからね~。
 いつ異動してもおかしくなかったんですよ」

「そう・・ですか・・」

「ちょっと遠くなっちゃったね」


そう事務長は人のよさそうな笑みを浮かべた。


「はい」


事務長に渡された人事異動の一覧をみつめたまま、心あらずに答える。


年功序列で発表された、20人ほどの人事異動一覧の下の方に倫子の名前が載っていた。


郊外にあるキャンパスの総務課。


普通に、ここに来れば会えると思っていた。


思っていたより、倫子さんとの関係って軽くって薄いな。


宗忠は愕然とした。
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