夜の甘やかな野望


     *


「倫子さん。
 ビバルディの四季は、いつが好き?」

「は?」


車で来ていた宗忠は、都心へ向かう高速を途中で降り、イタリアンに連れてきてくれた。


その席で、いきなり突飛なことを聞く。


突飛と言えば、車もシルバーなどの明るい色のスポーツカーでも乗っているかと思ったら、四角張った黒のSUVだった。


外国の軍隊で使用されているモデルだったとか。


外車で車高が高く、乗るのに躊躇すると手を貸してくれた。


もしかしたら、それが狙いなのかもしれない。


それか外見と内面で大分違うのか。


うん、違うかも。


「だから、四季で有名なビバルディでね、春夏秋冬のうち、どれが好き?」


倫子は我に返った。
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