夜の甘やかな野望
「学校の音楽の時間にちょっとしか聞いたことないので、わかりません」
「そっかー。
あれって、好みで人の性格がわかると思うんだよね」
ひどくがっかりした顔をする。
「じゃあ、今度、聞かせてあげるね」
「はあ・・」
喜んでいいのか、悪いのか。
「内藤先生、本当にお坊ちゃまですね」
ため息混じりになる。
「そう?」
「私の周りの男子で、クラシックの話をしたのは先生が初めてです」
さっきまで話題だったのは、ワインの話だ。
さりげなく刺されたことにも話題を振ったのだが、それは見事にかわされた。
はっきりとした壁に、倫子はそれ以上追及はしなかった。