夜の甘やかな野望


「学校の音楽の時間にちょっとしか聞いたことないので、わかりません」

「そっかー。
 あれって、好みで人の性格がわかると思うんだよね」


ひどくがっかりした顔をする。


「じゃあ、今度、聞かせてあげるね」

「はあ・・」


喜んでいいのか、悪いのか。


「内藤先生、本当にお坊ちゃまですね」


ため息混じりになる。


「そう?」

「私の周りの男子で、クラシックの話をしたのは先生が初めてです」


さっきまで話題だったのは、ワインの話だ。


さりげなく刺されたことにも話題を振ったのだが、それは見事にかわされた。


はっきりとした壁に、倫子はそれ以上追及はしなかった。
< 131 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop