夜の甘やかな野望
「魅力的に聞こえない?」
倫子は口を開いて閉じた。
「私には、およそ合わないので。
どっちかというと、迷惑?」
「うっわー、倫子さん、もうちょっとオブラートに包もうよ」
「すいません。
おべっか言えないので」
「知ってる」
宗忠は静かに笑いながら、倫子の腰に手を回して並んで歩き出した。
「迷惑かあ」
まだ呟いている。
「すいません」
「いえ、予想できる答えだったし」
でも逡巡している感じは伝わってくる。
倫子はあえて黙ったままでいた。
これは別れへの一歩だろうか。