夜の甘やかな野望
病院経営をしていて理事長だという規模の大きさには驚いたが、宗忠の家については察してはいた。
やっぱり王子だったのだ。
隣に並ぶ王女が私というのはどう考えたって無理がある。
失笑を買う。
喜んで院長夫人になって、そしてそれにふさわしい人を選びなおすだろうか。
腰に回った腕の温かみ。
合わせてくれる歩調。
それらが倫子の心を揺さぶる。
「いつか・・・最後の審判、見てみたいと思います」
呟くと、宗忠が柔らかいまなざしで見下ろして、しばらく見つめていた。
「うん」
充分の間の後、宗忠はいつものように優しくうなずいて、車の助手席に導いた。