夜の甘やかな野望


「そんな言い方したんですか」

「いやいや、まさか。
 この頃、お誘いいただけないですねって言ってくるから、好きな人がいるのでお会いできませんって」


今、感動してもいいのだろうか。


「そうしたら向こうの両親から、うちの両親に話が行ってね。
 どういうことだって言うから、ありのままに伝えたんだけど」

「圏外ですって?」

「違うよ。
 好きな人がいて、彼女の家に同棲状態ですって。
 まあ、そうしたら父親から申し渡されました」


倫子は思わずため息をついた。


「・・・大丈夫?」

「ん?
 僕は全然平気・・・かな?」

「なんで疑問形なの」


うろんな目で斜めに見据える。
< 170 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop