夜の甘やかな野望
「だって、おまえ、院長になりたくないわけじゃないだろ?
単に、親父の言う通りに動きたくないだけ。
ああ、後、彼女が〝院長夫人って迷惑″って言ったから。
社長夫人は迷惑って言われてないんだろ?」
悪そうに笑っている。
ぐっと詰まった。
いや、まあ、さあ。
胸の中でぶつぶつと呟く。
「でも、彼女との将来を考えたら、色々と考える所はあるんじゃない?
どのくらい前から、こういう計画、練っていたのか知らないけど」
数秒、水を打ったような沈黙が漂う。
「おれは、あのドイツ車を買った頃からだと思ってるけど?
でも計画って随時、見直し、そして更新、だろ」
宗雅は縁側の先に停めてある、SUVへ視線を投げた。
かなりの悪路でも進んでいける元軍用車両。
宗忠は黙ったまま宗雅と共に車を眺める。
宗雅が口を再び開いた。