夜の甘やかな野望


「大丈夫?」


くすくす笑われて、倫子の顔に血が上る。


いままでだったら、淡々とした態度でいれたのに、自分の気持ちに気づいた今は冷静になれない。


「大丈夫、です」


思わず視線が泳ぐ。


「診てあげる」


宗忠は一歩距離を詰めた。


足同士が触れそうな、今までにない距離感。


指が伸びて、さらりと倫子の頭の後ろをなでる感触がして、びくりとした。


「痛む?」

「いえ!
 問題ないので!」


身をのけぞらせて、距離を取りたいのに、そのスペースはない。
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