夜の甘やかな野望
「んー、今は確かにそうなんだけど。
もっとぴったりな、次があるかもしれないし。
兄さん、それを考えなかった?」
迷い口調で答えると、冷めた目で見られた。
「おれ、ブレないから」
そうでしたね。
頑固っていうか。
「この年までそう思うことなかったし、なかったってことは、ここで逃したら、同じ年数、また無いって可能性、高 いだろ?
いい加減、遊びもメンドクサかったし」
そうだ。
兄はかなりのメンドクサがりで、それでよく女性と揉めていた。
揉めて更にメンドクサくなり、ばっさりと切っちゃうのだが、相手は受けいれないものだから修羅場になる。
宗忠がまだ実家に住んでいたころ、自宅前で遭遇した数々の出来事を思い出す。
それに比べれば自分はマメな方だ。
メンドクサイと思わないし。
だから・・・。