エースとprincess
覚悟を決めて、できるだけ簡単に言うことにする。
「私と組んで仕事をした人が何人かいまして、その人たち、みんな離婚しちゃったんですよね。私と仕事するとバツイチになるからバツイチ姫……ってことらしーです」
「何人?」
「三人」
「そのまえは? 全員ってわけじゃないんだろ? 社員の未婚の比率を考えたら、既婚者ばかりと組んでいたはずもないだろうし」
いやに食いつくなあ。しかも指を顎に当てちゃって、それ名探偵かなにかですか。
まあ、それでも一応、過去を振り返るくらいは別にいいかなと。
「そのまえは四年あって、そのときはなにもなかった……です」
「営業補佐じゃなくて営業職だったし?」
頷いた。そして少しだけテーブルに身を乗り出して、明るく言いはなった。
「そんなことがあったとしても、です! そろそろ、そのバツなんとやらのジンクスが破れてもいいんじゃないですか? 私そんな気がしてならないんです。ねえ郡司さん!?」
ん、ああっ、と郡司さんは明らかに聞いていなかった反応だ。
「現場からは以上ですー。質問終了です!」
この話は終わりとばかりに主導権を返上して、私は悠々と梅酒ソーダを頼んだ。まったく、質問コーナーって誰得なんだか。なにかと任されやすい私ではあるけれど、そろそろこの任務、下の世代に引き継ぎたいんですけどね……。
「私と組んで仕事をした人が何人かいまして、その人たち、みんな離婚しちゃったんですよね。私と仕事するとバツイチになるからバツイチ姫……ってことらしーです」
「何人?」
「三人」
「そのまえは? 全員ってわけじゃないんだろ? 社員の未婚の比率を考えたら、既婚者ばかりと組んでいたはずもないだろうし」
いやに食いつくなあ。しかも指を顎に当てちゃって、それ名探偵かなにかですか。
まあ、それでも一応、過去を振り返るくらいは別にいいかなと。
「そのまえは四年あって、そのときはなにもなかった……です」
「営業補佐じゃなくて営業職だったし?」
頷いた。そして少しだけテーブルに身を乗り出して、明るく言いはなった。
「そんなことがあったとしても、です! そろそろ、そのバツなんとやらのジンクスが破れてもいいんじゃないですか? 私そんな気がしてならないんです。ねえ郡司さん!?」
ん、ああっ、と郡司さんは明らかに聞いていなかった反応だ。
「現場からは以上ですー。質問終了です!」
この話は終わりとばかりに主導権を返上して、私は悠々と梅酒ソーダを頼んだ。まったく、質問コーナーって誰得なんだか。なにかと任されやすい私ではあるけれど、そろそろこの任務、下の世代に引き継ぎたいんですけどね……。