傷痕~想い出に変わるまで~
「こういう上品な店でスマートにエスコートできる男はやっぱりカッコいいもんね。本命の彼女を連れて来て恥かく前に私で練習できて良かったじゃない。」

私が店内を見回してそう言うと、お水を飲んでいた門倉が眉間にシワを寄せてため息をついた。

「はぁ?何わけのわからんことを…。おまえホントにバカだね。連れてくるんじゃなかったわ。」

「なんで?私も居酒屋止まりってこと?」

確かに私と門倉はこんな店で改まって食事するような関係じゃないもんな。

居酒屋で枝豆食べながらビール飲んでる方が合ってる。

「もういいよ。バカは黙って水でも飲め。」

「何よもう…人のことをバカバカって…。」

最近門倉が私をやたらとバカ呼ばわりするのがムカつく。

喉は渇いてるから水は飲むけど。

「そういや岡見さんも小塚さんも大学時代に同じサークルだったって?」

「そう。レクリエーションサークルって、キャンプとかボウリングとかカラオケとか飲み会とか…。ただみんなで遊びを楽しむだけのサークルだったけど、たまに本気でスポーツなんかもやったりしてね。」

サークルのみんなと遊ぶのが楽しくて、活動費のためにバイトしたな。

「それって元旦那と知り合ったってサークルか?」

「そう。岡見も小塚も光とは特に仲が良かった。」

だからよく一緒に遊びに行った。

卒業前の夏にサークルの活動とは別で特に仲のいい友人とキャンプに行った時も、岡見と小塚は一緒だった。

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