幾年の愛を
トワと采羽~今と昔~

昔と目覚め



ここは…どこたろうか…


「トワ様!」


   ハッ


「まったく目を離せばすぐに出てしまうんですから」



この人は…誰?
私はトワ?



「さぁ帰りますよ、貴方の家に」


私の…家…


綺麗な庭園を抜け、門をくぐると
大きな日本屋敷があった。


「あ、あの…」


「中でクロウさんが探してましたよ」


女の人は笑顔でそう言ってから私を
部屋まで案内してくれた。


「あっトワ!もう、探してたんだからね」


「み、澪さんっ」


「どうしたの?いきなりさん付けなんて?
あ、さては何か企んでるなぁ」



そこにいたのは紛れもない澪さんだった。
声も仕草も容姿も…
紛れもない…私の知っている澪さん…


のはずなのに…どうしてこんなに遠い感じがするのかな?


「どうかしたの?具合悪い?」


「う、うぅん大丈夫」


ここはたぶん…私じゃない…
誰かの記憶なんだ…

でも、さっきからずっとこの人たちは
私のことを『トワ』と呼んでいる…





 
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